足関節捻挫
✔歩行中に足を捻った
✔運動中に足を捻った
✔地面のくぼみに足をとられた
✔ジャンプして着地するときに人の足に乗ってしまった
「足関節捻挫(そくかんせつねんざ)」とは、足首の関節を内側に捻る(ひねる)ことによる軟部組織の損傷で、外くるぶしの周りに痛み・腫れ・圧痛(押すと痛む)などの症状が現れます。足関節捻挫はスポーツ時の怪我の中で一番多い疾患であり、一緒に靭帯を損傷するケースが多いので、「足関節靭帯損傷」と呼ばれる場合があります。また、日常生活において階段の踏み外しなどでも容易に起こるため、身近な外傷として放置されがちですが、放置すると痛みが長期化したり、不安定な足首となったりして、その後の治療が難航することがあります。
軽症
外くるぶしの前・下あたりに軽い腫れと圧痛が現れます。歩いたり軽く走ったりすることは可能です。
放置すると、足関節が脆弱化して、捻挫の再発が起こりやすくなります。
中等症
外くるぶしの広範囲に腫れと圧痛が現れます。
関節の不安定さは、あまりみられませんが、歩けても走れないことが多いです。
重症
外くるぶし周囲に強い腫れ・圧痛・皮下出血が現れます。関節の不安定さから、自力で体重を支えられないため、歩くことができません。また、可動域の低下も認められます。
足関節捻挫の主な原因は、内側に捻ることによる足関節外側の靭帯損傷です(=足関節靭帯損傷)。外側靭帯の中でも「前距腓靱帯(ぜんきょひじんたい)」の損傷がよくみられます。
ほとんどの足関節捻挫(1度・2度捻挫)は、最小限の「保存的治療」で治癒可能です。
ただし、3度捻挫(重症)の場合には、外科的手術が必要になることもあります。
保存的治療 初回受傷時、適切な固定や安静期間を設けて靭帯を回復させることで、「関節の不安定感が残る」「捻挫を繰り返しやすくなる」という状態に進行することを防ぎます。中途半端な状態で競技復帰した場合、さらに悪化することで軟骨変形や足関節のインピンジメント症候群(関節がうまく動かせない状態)の原因となるため、注意が必要です。
歩行が正常に行えるようになるまで、松葉づえを使用します。
安静・固定
RICE処置から引き続き、1度捻挫ならテーピング・サポーター・弾性包帯による固定、2度捻挫であれば、シーネ(添え木)固定、3度捻挫ではギプス固定を行います。軽症では2~3日程度、中等症・重症の場合には数週間患部を安静にします。治療は運動療法や温熱・電気・装具などの物理療法を行います。
足関節捻挫では、受傷直後の急性期(受傷から2週間程度)から患部外のトレーニングを始めます
痛み・腫れが引いて、足を引きずらないで歩けるようになってきたら、バランスや筋力低下を最小限に留めるようなストレッチ・トレーニングなどを行います。経過に合わせて、段階的に運動強度を上げていきます。当院でも足関節の治療と固定、再発防止の筋力強化訓練等が可能です。
お困りの方はぜひご来院ください。